思ってもみなかった理由にまた驚かされる。
「えっともしかして……私のこと心配してくれてたの?」
「あんたは危機感が希薄すぎるから」
「でもほら、私強いし」
「じゃあ何でさっき絡まれてたわけ?」
「だってあそこで全力で抵抗しちゃったら、誰かに見られる可能性が……」
「ほら。強くたって身を守るために力を使えないなら、そんな力無いのと同じ」
「……まあ」
私は静かに目を伏せて反省する。
柳沢くんが本気で私を心配してくれていたのが痛いほどに伝わってきた。
「きっとハスは、例えばああやって絡まれたのが自分じゃなくて中山さんだったら、迷いなく助けたんだろうけどね」
「……それは、たぶん」
「だけど自分が助かることと強さがバレることを天秤にかけたら、力を使わないことを選ぶ。……ねえ、頼むからもっと自分を大事にしてよ」
「うん……」
「キャラ作りまくってる俺に言われたくないかもしれないけどさ……力が強いこと、別にバレたって良いんじゃない?」
「えっ……」



