猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め




男は顔を赤くして手を伸ばし、柳沢くんのスマホを奪おうとする。

だけど、ひょいと避けられそれも叶わず。


次第に、通りがかった人の視線を集め始めた。




「クソっ」




悪態をつく男に、柳沢くんは耳元で小声で、ただしはっきりと言った。




「自分の立場がわかったんならさっさと出ていけ害虫が」


「コイツ……舐めやがって……!」




見ていた人たちから「あれやばくない?」「ナンパ男?サイテー」「先生呼んだ方が良さげ?」といった声が聞こえ始めた。


男もようやく観念したようで、最後に一度だけ大きく舌打ちをして、すごすごと逃げていった。



柳沢くんは大きく息を吐いて、王子様スマイルを浮かべた。




「お騒がせして申し訳ございません。1-2のコスプレ喫茶、好評営業中です。是非お立ち寄りください。“毒舌執事役”の俺の他にも、色々なコスプレをした生徒がいますのできっとお楽しみ頂けると思います」