岸井さんと別れた後、私はお昼ご飯のため色んな屋台を回った。

そしてフランクフルトを食べていたとき、真っ赤なケチャップを思いっきり道着にこぼしてしまった。




「あちゃー」




これでようやく、空いているトイレを探して制服に着替える決心ができた。


……事件が起こったのは、制服に着替えて髪を整え、荷物を置いてきてすぐのことだった。




「あ~ねえキミキミ」




前から歩いてきた大学生ぐらいの男の人。

誰かに声かけてるなあ、と思ってキョロキョロ周囲を見るも、特に誰もいない。




「あはは、キミだよキミ!」


「……私?」


「そうそう、キミ。いや~普段来ないトコだから迷っちゃってさ。案内してよ~」


「そこの教室の前に地図置いてありますよ?」


「違う違う。あは、普通察しない?可愛い子いたから一緒に歩きたいな~って思ったんだよ。キミも一人っぽいし?」