「ここここ怖くなんかなくってよ」
「……嘘、さっき『お化け嫌い』って言ってた」
「嫌いと怖いは違うわ!ちなみに香田葉澄、私から奏多くんを取った生意気なあなたのことも大っ嫌いよ!」
そんな感じで、私たちはピッタリくっつきながら足を進めていく。
さすが3年生が何クラスも集まって作っただけある。呪いの人形を始めクオリティーが半端じゃない。
「そういえばきっしーさんは……柳沢くんのどういうところが……好きなの?」
「は、はあ?そんなこと聞いてどうするのよ……勝者の余裕のつもり?ていうか、こ、こんなところで恋バナなんてどんな神経してるのよ!」
「もちろん恐怖を紛らわすためですけど!ギャーッ!い、今肩掴まれたっ!」
「や、やめなさい脅かさないで!奏多くんの好きなところなんて、あの国宝級に麗しいお顔と王子様みたいに優しいところに決まってるでしょ……!嫌っ!今首筋に生温かい息が……」



