LI⚪Eで数言話しただけの,可愛くて律儀な…女の子。

何で今,泣きそうになるかなぁ。

流雨が裏切るなんて,そんなことあるはずも無いのに。

自然と足早になって,その理由が分かってしまうのがつらい。



「流雨」



校内でやっと見つけた流雨に,はっきりと声をかける。

片手を控えめにあげてみて,私は思った。

なんて,嘘臭い。

笑顔の作り方が,分からなかった。



「今週の土曜日か日曜日,空いてる?」



きっと,側にいる茉莉さんにも何か反応しなきゃいけないのに。

目線のひとつくらい送って,出来るなら流雨に話しかける前に断りをいれなきゃいけないのに。



「え…と,ごめん」