ほどけるいと。

スタスタと戻ってきた流雨くん。

2人で手を合わせると,各々食事を開始する。

そこは流石の男の子。

麺類だから,汁が飛ぶのを懸念したのもあるけど,私よりほんの少しだけ食べ終るのが早かった。

私も心なしかペースをあげて食べ終る。

その間,流雨くんは持ってきているスマホを弄るでもなく,ただずっと待っていてくれた。

カタリと箸を置いて,口を開く。

食事中は何となく,気が引けたのだ。



「どうして今日,誘ってくれたの?」



唐突な質問に,流雨くんが固まる。

本当なら,聞くべきじゃ無かったのかもしれない。

普通のことを聞かれて,流雨くんは困ってるんだと思う。



『ただ行きたそうだったから。行ったこと無かったから』



普通に考えたら,それだけ。