ほどけるいと。

私は冷たいうどん,流雨くんはラーメンを頼んだ。

私の方が早く出来上がって,2人の机へ運ぶ。

そして流雨くんを待っていて,気を使わせたと気を使われるのは嫌なので,わざと運ばずにいたお水を2人分取りに行った。

コト…と必要以上に音を立てないよう細心の注意を払って流雨くんに渡せば,流雨くんは驚いた顔をして



「ごめん忘れてた。ありがとう」



と言ってくれた。

私がはにかんで応えると,丁度。

出来上がったらなる,携帯サイズのそれが激しく主張を始める。

ナイスタイミング。

私はグッと自分を褒めると,ひらひらと立ち上がった流雨くんに手を振った。