ほどけるいと。

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琴音さん,私服似合ってるな。

そう最初に思ったのは,琴音さんが俺を振り返ったとき。

可愛い以外の言葉が浮かばなくて,特に何を話すこともなく。

しかも…

何か服装,似てない?

そう思ったらもうだめで,口はむすばるばっかり。

俺はキャップ被ってて良かったと,鍔をしたに下げた。

だから,いつも元気な琴音さんが,黙ったまま。

その事に気がついたのは,電車に乗ってからだった。 

困ったような顔で,たまに身体をむずむずと動かしている。

その眉がどんどん下がっていくのを見て,俺はどこか肝が冷える思いがした。

やばい,どうしよう。

誘っといてこんな空気にするのは,ちょっとどうかと思う……