____________________



「テニス,楽しい?」

「まぁ,普通に。もうすぐ試合だから,ちょっと練習の空気も気合い入ってる」

「運動部はね,もうすぐだから」



ずっと続けてる部活の話をしながら,俺は友達数人を思い浮かべた。

そして目の前の琴音を見る。

琴音はころころと笑いながら,真っ直ぐ俺を見てる。

可愛い,と思った。



「中学の時からなんでしょ? 確か,初めてちゃんと話した時,そう言ってた」



そんなこと,覚えてたんだ。

琴音はいつも,俺の言葉は全部拾ってる。

当たり前みたいに。



「そう。他にいいのが無くて…それで以外と楽しくて」

「そうゆうの,いいよね。今度さ,一緒にやろうよ,テニスできるとこあるじゃん」