終業から,1時間半。

そのほとんどを,私が寝こけていた。



「ちっちがうの。今日提出のテスト直し,やってただけで」



終わって,疲れたから休もうと思っただけで。

わざわざ,確認しに,探しに来てくれたの。

それが嬉しくて胸を打つも,どこか恥ずかしさを感じる。



「そっか。帰ろ」



部活疲れで眠そうな流雨が,柔く微笑んだ。

私は流雨の笑みに目を奪われながら,こくりと頷く。



「提出だけ,待ってて」



教室には,私達の温かい空気だけが残った。