「顔,赤いよ? 結構時間かかったみたいだし,そんなに急いで戻ってきたの?」



はいっと荷物が渡される。

汚れないように,由芽はわざわざずっと手に持っていてくれたようだ。



「ありがとう,その,これは……」



そうじゃなくて。

なんて言って,どうするのか。

はたと動きを止め由芽を見る。

すると由芽は不思議そうに首をかしげた。



「なに?」



なんだかとっても難しい事を考えている気になって,私は顔をもごもごと歪める。

そんな私を,由芽はからかった。



「変な顔,なってんよ」



そうじゃ,なくて。

由芽にすっごく言いたいことがあるのに。

喉まで来てるのに,それが何なのか分からなくて,もどかしい。