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家に帰って,ベッドにダイブして。

数秒目を閉じた私は,心を入れ換えるようにして息を吐いた。

そして起き上がって,やがて提出がやってくるであろう課題を少し進める。

イヤホンから流れる,CDの音楽だけが,心をじわじわと癒してくれた。

バイブ音と着信音,それらが同時に響いて,私ははっと顔をあげる。

見上げた先の時計は,私の記憶よりずっと進んでいた。

誰…

勉強疲れに目をしばたかせ,スマホを手にする。

目に映った名前にぱっと心が高揚して,私はアプリを開いた。



『遅くなった。ごめん,ありがとう』



ごめんじゃ,ないの。

なのに,どうしても許してしまう自分がいた。