ほどけるいと。

「ドーナツ3つは…流石に食べ過ぎじゃない?」

「んあー? そー?」



俺は特に気にした様子もない卯田を横目に,スマホを開いた。

もう4時半。

そこそこだ。



「あ」

「どった?」

「…なにも」



LI⚪Eの通知がある。

話に夢中になって,ずっと忘れていた。

相手の名前をみて,あちゃーと額に手の甲を当てる。

ごめん,琴音。

琴音ならきっと,まだこの周辺で待っているだろう。

万が一俺がいいよと答えた時の為に。

ずっと1人でほったらかしてしまったと,申し訳なさと同時に焦りを感じる。



『ごめん。友達と出掛けてる』



簡潔なメッセージ。

すぐに既読がついて,やっぱり待ってたのかなと新たに文字を打とうとして,躊躇った。