ほどけるいと。

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ふわぁぁぁぁあと目を輝かせ,静かに喜んでいた琴音さん。

俺はそんなに? と,1種の気恥ずかしさを覚えた。

けれどその後,長い睫を伏せた琴音さんを見て,意味もなく口を引き結ぶ。

そして再開した勉強は,そらから30分続いた。

最初よりもずっと少ない口数で。

ーブーッブーッ



「ふわっ」



大きく響くバイブ音に,琴音さんが俺より先に反応する。

そして,声をあげたことにか,口を押さえて恥ずかしそうにしていた。

机の上のスマホ。

俺はそれに急いで手を伸ばす。



「ご,ごめん。タイマーセットしてたの忘れてた」



震えが収まったのを掌で確認して,俺は一言伝えた。