ほどけるいと。

寧ろその方が自然と言うか普通と言うか。



「自分で買う?」

「あ,えと」



これ,素直に受け取って良いのかな。

結局,いくらだったんだろう…



「ほんとに,ほんとにいいの?」



意気地のない私が念押しすれば



「いいってば」



と流雨くんが笑った。

遠目に見ることしか無かった流雨くんの笑顔を。

ははっでもふふっでもない,息が抜けるような笑い声。

それを間近で見て,咄嗟に固まる私。

え,えぇ?

ほんとに貰っていいの?

コクリと頷いて,私はそろそろとシャーペンを受け取った。

どのみちまだ,使うけど。

わぁ,わぁ~。

なんか,"借りた"って思って持つのと,全然違う。