ほどけるいと。

「大丈夫…です。ごめん」

「やっ…ぶつかったのは私のせいで…」


流雨くんは私にペコリと頭を下げて,教室へと行ってしまった。

優しい…

突然の出来事に驚いて,必要以上にドキドキと鳴る心音を,私は聞いていた。



「ぁ…! そうだ部活!」



階段には,私のパタパタという足音が響いた。

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『流雨くん,彼女出来たらしいよ』



それを知ったのは,あれから数ヵ月も経たない頃。

それは,流雨くんの話題に敏感になっていた私の耳に,唐突に飛び込んできた。

彼女……と頭で反芻して,ぱちばちと目を瞬く。

彼女?

首を捻って,初めてその意味が分かった。