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「わっ……部活遅れちゃう!」



日直日誌を書き終えて,私はガタガタと立ち上がった。

放課後の教室には,もう既に男子が数人居るだけだ。

その男子達が驚いているのも無視して,バタバタと走る。

肩掛けなせいでやたら重い鞄を揺らしながら,それでも走っていると,階段への死角から人が出てきて。

私はお尻から転んだ。



「いっ…?!」

「ぁ…」



その上,急いでいて閉めてなかった鞄から,ものがバサバサと階段を落ちていった。

小さく声を溢した相手の声に聞き覚えがあって,荷物より先に,私は驚いて顔をあげる。



「流,雨…くん」



流雨くんは一瞬だけ,空気をピリッとさせて,私は怒ってるのかなと思った。