ほどけるいと。

「んー! 皆可愛かった!」



イルカやシャチを皆と表現する琴音を見ながら,ベルーガを目指して歩く。



「流雨,今どこに行ってるの?」



琴音は興味を持ったように,俺の手にある地図を覗き込んできた。

さらっと琴音の髪が俺の顔の前を通過して,俺はすすすと顔をのけ反らせる。



「うーんと,ここが…」

「ベルーガ,見るんでしょ? 泳いでるところなら別だけど,鳴き声聞くならこっち」

「え! ありがとう」



ーアッアッアッキャッキャッキャアッ



「わっ」



入って早々,鳴き声の大きさに琴音がよろめく。

とっさに支えると,照れたような顔をする。



「ありがと,流雨。行こ」



琴音は今日初めて俺の手をとった。