1人の部屋は,いつも以上にしん…としている。

そんな時は大概,気持ちが沈んでいる時だ。
 


『もうすぐ,卒業か~』



私は,遠くに行く。

流雨のずっとずっと遠いところに。

私達に足りなかったのは,きっとお互いの気持ちを口にすること。

それはつまり,話し合うこと。

最後まで,あんなだった。

流雨の話を,聞かなかった。

だから…



ーもう一度だけ,会って話したい。



そう文字を打って,私は一気に消した。

良く考えたら,もう話すことなんてない。

あの日全部,伝えきった。

流雨の話を聞いたって,お互い辛くなるだけ。

折角未来を見つめ始めたのに。

だから流雨とはもう,会えない。

後悔があろうと何だろうと,私が終わらせたんだから。


____________________