「もちろん! 楽しかったよ、誘ってくれてありがとう」
気を取り直し、阿久津くんを見上げてお礼を言うと、綺麗な顔がにこりと微笑む。
「ずっとニコニコしてるもんな」
そして告げられた言葉に、ぽっと顔が赤くなった。思わず頬に両手を当てる。
「に、にやけてた?」
「可愛かった」
へ、返事になってないんだよなあ……。
でも言われてみれば、ずっと口元が緩んでいたかもしれない。それくらい、楽しかったから。
「どうして海に誘ってくれたの? 海、好きとか?」
阿久津くんが蕩けるような眼差しでずっとこっちを見るもんだから、顔が熱くなって手でパタパタと冷ましながら話題を変えてみる。
私の言葉にきょとり瞬いた瞳は、少し考え込むような色を見せた。

