抱きしめ返す……のはさすがに無理なので、埋もれた額をぐりぐりと擦りつけると、頭上で柔らかく笑んだ気配がした。
「山本、ごめんね。俺、浮かれて調子乗ったせいで空回ったのが恥ずかしくて……嫌な態度取った」
「わ、私も、ごめんなさい」
「山本が謝ることは何もないよ。ただ──」
少しだけ、力が緩められて隙間が空く。
そっと視線を上げると、こちらを覗き込む双眸に、自分の情けない顔が映った。
「いちいち可愛い反応するから、ちょっといじめたくなる。……今も」
えっ、と驚いているうちに、阿久津くんが指の背で撫でるように私の頬に触れる。その指先がひんやりとしていて、自分の頬の熱さを思い知った。
「すぐ真っ赤になる」
揶揄うように言われて、更に熱が上がった。

