恐る恐る呼びかけると、四つの瞳がこちらを向く。阿久津くんにまで凝視されるとは思わなくて、ちょっとドキッとしてしまった。
「わ、私ももうすぐ帰るから、約束があるなら急いだ方が……?」
二人の瞳を交互に窺いながら、余計なこととは思いつつ進言してみる。
すると、ええ〜、と言いながら榊原くんが唇を尖らせた。
「山本さんまでボクを除け者にするの?」
「えっ」
「おい、困らせんなよ。お前待ちだって言ってるだろ」
阿久津くんが更に強く腕を引くと、よろけながら榊原くんが一歩踏み出す。
そのままドアまで引き摺られるようにして連れていかれる榊原くんが、その間もずっと私を見ながら「結が虐めてくる〜」「山本さん助けて!」なんて言ってくるから、思わずクスッと笑ってしまった。
そして、阿久津くんの体が廊下へ消え、榊原くんの体も半分くらい廊下へ溶け込んだ時。

