だけど今日は残念ながらバイトだったので、少しだけ一人で勉強してから帰ろうかなと考えていたのだ。
「ノートすげー綺麗じゃん。俺、こういうの苦手だから憧れちゃう」
「そうかな?」
そこまで綺麗だとは思わないけど、勉強は嫌いじゃない。
ノートも自分なりに分かりやすく纏めたつもりではあったから、褒められれば純粋に嬉しくて、顔が少しにやけてしまった。
そんな私に榊原くんも微笑み、彼が何かを言おうと口を開いた時。
「おい、頼人。お前待ちなんだから道草食ってんな……」
ガラッとドアが開き、僅かに声を張りながら入ってきたのはなんと阿久津くんだった。
顔を顰めながら教室に踏み込んだ阿久津くんは、私の姿を目に留めると、私が居ることには気付いていなかったようで目を丸くする。
かと思うときゅっと目を細め、どこか険しい顔でこちらに近づいてきた。

