そんな彼も私にとっては遠い存在で、だけど誰に対してもフレンドリーな榊原くんは、時々こうして話しかけてくれることがあった。
こんなふうに席まで来て、しかもそのまま居続けてくれるのは初めてだから、どうすればいいのか分からなくてちょっと戸惑ってるけど……。
榊原くんは私の問いに、目を細めたまま「そうそう」と同意する。
「ボクちん皆に置いてかれちゃって一人ぼっちなの」
シクシクと泣き真似をする榊原くん。
今日は水やり当番も無いから、阿久津くんも榊原くんと遊ぶ予定なのかもしれない。
そっかあ、と曖昧に笑う私に、背もたれに肘をついた榊原くんが、小首を傾げた。
「山本さんは一人で勉強してんの?」
「あ、うん、今日は……」
「峯岸は?」
「里香ちゃんは、今日はバイトで」
ふうん、と榊原くんが頷く。
私は家より学校の方が勉強に集中できるタイプで、バイトが無い時は里香ちゃんも付き合ってくれる。

