「お、重いよ」
「え、何。俺が?」
「えっ? わた、私が」
「ああ……そういうこと。いや、重くないし。てか例え100キロあっても大丈夫」
「なにそれ……」
なにを根拠にそんな自信に満ちた顔で言うのか。
ちょっと笑って、でもやっぱり、じゃあお邪魔しますと腹を括ることは出来なくて、俯く。
顔がどんどん熱くなる。開けた窓の隙間から時々流れてくるぬるい風が、やけに涼しく感じるくらいに。
私が困って押し黙っている間も、何度かくしゃみをしながら、阿久津くんは黙々と自分のお昼ご飯を食べていた。
「よし。じゃあ山本はそこに座ってて」
阿久津くんがそう言ったのは、彼があっという間に惣菜パンを食べ終わった頃だった。
指先で器用に袋を結ぶと、レジ袋に捨てて、袋ごと端に避ける。
そしてそのまま立ち上がったかと思うと、私の背中側まで歩いてきた。

