「換気のために窓も開けとくか。咳とかくしゃみとか、あれば言って」
山本は座ってて、と置いていたお弁当を渡される。
そのまま手早く窓を開けてくれる阿久津くんを眺めながら、言われた通りに床に座った。
優しいなあ、と思う。
前から、優しいことは知ってた。でも、まだ付き合って二週間も経っていないけど、こんなに優しくしてくれるなんて、と時々びっくりしてしまうくらい、彼は私に心を配ってくれている。
「……そういえば、朝、俺のこと見てたでしょ」
「えっ!」
不意にそう訊かれたのは、二人して暫く無言でお昼を食べ進めていた時だった。
急に話しかけられたのと、見ていたことに気づかれていたことにダブルで驚いて、思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
いやでも、一瞬目が合ったもんなあ……。
「ご、ごめんなさい」

