わあわあといくつもの声が遠ざかっていくと、嵐が過ぎ去ったあとのように教室は静かになる。
私はちょっと考えてから、バンダナで包んだ弁当箱を取り出し、席を立った。そこで丁度、私の席まで来ようとしていた里香ちゃんと目が合う。
里香ちゃんは立ち上がった私と手に持ったお弁当、そして、集団が去っていった後の開け放たれたドアを見ると、ああ、と頷いた。
「なるほど、お約束の相手ってわけね」
「うっ……」
なんだかそう納得されると少し恥ずかしい。
「ごめんね、先に言っておけば良かった」
「いいよ、気にしないで。今日は他の子と食べるから、七葉は存分にイチャついてきな」
「イチャ……!? し、しないよそんなこと!」
「いや、カップルなんだから少しはしなさいよ……」
そんな里香ちゃんの言葉へは最後まで否定しながら、私は彼の後を追うように廊下へと飛び出した。

