「……ほんと、七葉たちってヘンな関係」
どこか呆れたような眼差しに、「えっ」と目を丸くしたものの、里香ちゃんは言うだけ言って満足したのか、そろそろHRが始まるから、と言って自分の席まで戻っていってしまったのだった。
四限目の終わりを告げるチャイムが鳴ると、どことなく教室の空気が浮つく。
教科書をリュックにしまい込みながら、ちらりと阿久津くんの席を見れば、クラスメイトが輪を作っていた。
「阿久津〜、今日はみんなで外で食べよー」
「そうそう、俺、中庭でいい寛ぎスポット見つけたんよ。雨止んだし!」
すぐ隣に立つ、明るい茶色の髪をゆるく巻いた女の子が、自然な動作で阿久津くんの腕に抱き着く。
「んー……」
普通、可愛い女の子にそんなことをされれば照れるか喜ぶかしそうなのに、阿久津くんはぴくりとも表情を変えず、やんわりと女の子の腕を外した。

