私の彼氏はクラスで一番、



それから、いたずらっ子みたいな顔で阿久津くんは笑った。


「外じゃなきゃいいんだ」


私はこくこく頷く。とにかくこんな、いつ誰が通るとも知れない場所じゃ無ければなんでもいい。


「じゃ、今度中でいっぱい抱きしめてもらお」


その言い回しに少し引っ掛かったけれど、大人しく離れてはくれたのでホッとする。


(し、心臓に悪い)


まだドコドコと落ち着かない鼓動にしばらく深呼吸を続けていると、水やりを再開していた阿久津くんが「そうだ」と声を上げた。


「山本の誕生日、今月でしょ。どっかの休日でお祝いしたいんだけど、どこなら空いてる?」

「……!」


パッと顔を上げる。

落ち着いてきていた頬の熱が、今度は嬉しさでぶわりと募った。


「ど、どこでも!」


思わず食い気味で答えると阿久津くんは嬉しそうに微笑んで、さらりと艶髪を揺らして小首を傾げる。


「ほんと? なら、再来週の土曜とか」

「うん!」

「行きたいところあれば教えて」

「行きたいとこ……」


阿久津くんと一緒なら、どこでも楽しそうだけど。

悩む仕草をみせた私の頭に、阿久津くんの手のひらが乗る。


「ま、思いつけばでいいから。考えてみて」

「うん!」


ぽんぽんと優しく撫でられて、阿久津くんの気持ちが本当に嬉しくて、頬がにこにこ緩んでしまうのを止められない。

そんな私を、阿久津くんは慈しむように見つめていた。