ぐっと腰の辺りに力が入って、見るといつのまにか阿久津くんの腕がそこに移動していた。
私が離れようとすると、手の甲に血管が浮く力強さで阿久津くんが引き止める。
「あ、阿久津くん……?」
「ん?」
「その、もう支えてくれなくて大丈夫……」
「うん」
気のない返事をした阿久津くんが、私の腰を抱いたままもう一方の手に持っていたじょうろを花壇に置く。それから、空いた手を私に回して、ぎゅっと私を抱きしめた。
「阿久津くん!? ぬ、濡れちゃうよ!」
私はじょうろを持ったままだったから、突然の抱擁に動揺してちょっと水が零れる。それにまた動揺して声を上げるけど、阿久津くんは全然離れてくれなかった。
「はあ、触れたら我慢できなくなった」
「そこは我慢してほしいかな……!?」
「むり」
「阿久津くん、ここ外だから……っ」
半泣きで叫ぶと、私の体に両腕は回したまま、ちょっとだけ阿久津くんが離れる。

