それで驚いて固まっている間に、阿久津くんが鈴原くんを連れ去ってしまったのだ。いや、それはいいのだけど。
でも鈴原くんも言ってた通り、二人が話してるところなんて見たことが無い。だからきっと里香ちゃんの予言通り、あれは乱入だったのだろう。
その夜、阿久津くんにメッセージを送ろうか迷って、やめておいた。次の日はお昼を一緒に食べる日だったから、その時に直接訊いてみよう。そう思って。
そして、次の日。
「阿久津くん……」
「ん?」
予想に反して、特に鈴原くんの話題に触れることなく穏やかに流れていくお昼時間。
会話がひと段落して、ふと落ちた切れ間で恐る恐る声を出してみる。
阿久津くんは相変わらず優しい表情で首を傾げてくれたけど、私は緊張してしまって、床に視線を落としながらぼそぼそと言葉を紡いだ。
「あの……お、怒ってる?」
「……え?」
まずい、直球過ぎた。
怪訝そうな声が返ってきて、意味もなく狼狽える。

