「呑まれてるっていうのは、どういう……」
「そもそも世話焼きすぎ。あんたが率先して焼くから、鈴原もラッキーとばかりに甘えてるじゃん」
「いやでも」
隣の席に怪我してる同級生が居て、それを知らんぷりするのもなんだか……。
それにしていることといっても、今日みたいに移動教室の時に荷物を持って行ってあげたり、消しゴムを床に落としちゃったときに代わりに拾ってあげたり、そのくらいだ。
むん、と考え込む私に、里香ちゃんは額に手を当てながらため息を吐き出した。
「距離感間違えないようにねって言ったの、覚えてる?」
「覚えてます……間違えてる? 私」
戸惑いながら自分を指差した私に、里香ちゃんは悩むように目を逸らす。
「まあ、どっちかというと七葉のガードが甘々すぎてガンガンに距離詰められてるって感じだけど」
距離……詰められてるんだろうか。

