お願いします、と頭を下げた鈴原くんに、嬉しくなる。
よかった、このまま放っておいて帰るなんて心配だったし、できないなと思ったから。
「任せて! すぐ呼んでくるからね。安静にしててね」
じゃあ! と駆け出した私を、鈴原くんはニコニコしながら見送り──。
「はあ……」
その後で、目元をピンク色に染めながら、机に頭突きするように突っ伏していたことなんか、知る由もなかった。
その後、無事に保健室の先生を捕まえて、鈴原くんのことをお願いした、翌日。
「おはよー」
なんでもないような声で挨拶してきた鈴原くんに、私と里香ちゃんは唖然とした。
「す、鈴原くん……」
「どうしたのそれ」
なんと鈴原くんは、松葉杖姿だったのだ。
まさか、昨日の怪我がそんなに酷かったのかと顔を蒼くする私に、焦ったように「違う違う!」と鈴原くんが否定する。
「大袈裟なように見えるけど、折れてたとかじゃないから! ちょっと腫れが酷いから、少しの間この状態なだけで」
「ほ、ほんとに?」
「おう、一週間くらいで終わりだからさ」
だから大丈夫、とはにかむ鈴原くんに、安心する。
それならまだ良かった……のかな?
ホッと胸を撫で下ろす私を、鈴原くんは優しい瞳で見つめていた。

