大学の長い春休みは、とにかくのんびり過ごしている。

時々、同じ学生会館に住んでいる子に誘われて、近くの観光スポットを見てきたり、どちらかの部屋でこっそりお酒を飲んだりもしたが、私は割と、ひとりで過ごすことが好きだ。

レンタルビデオ店に行っては、延々と物色し、何枚もDVDを借り、片っ端から観る。

それに飽きると、今度は1日かけて分厚い本を読み耽る…その繰り返し。

シャワーを浴びようとした時、シャンプーがなくなりかけていることに気付き、私はすぐ近くのドラッグストアへ向かった。

商品がところ狭しと並んでいるあたり、田舎とは違うなと、いつも思う。

シャンプーも色々なものがあるけれど、どれにしよう…。

ぼんやりと思っていたら、後ろにいた人とぶつかってしまった。

「ごめんなさい!」

反射的に言うと、相手も、

「すみません!あ…!」