ん? あれ、私ってベットで寝たっけ。床で寝ちゃって……
「あ、千紘。起きたんだおはよう」
「お、おはよう……」
「もうびっくりしたよ、帰ってきたらもう寝てたから」
 もしかして、亜樹がベットに? 迷惑かけちゃった……しかも人の家で寝るなんて、ありえない。
 亜樹は私の隣に座り「キスして良い?」と聞いてくる。そんなこと聞かないでよ……何で聞くのさ。
「そんなこと聞かないでっ」
「はは、まだ赤くなるんだね……可愛い」
 そう言って、肩を抱き寄せると亜樹は唇を重ねると軽くキスをして、軽いキスからだんだん濃厚なキスに変わっていく。
 私は、この人が好きなんだ。だってすごく、亜樹にキスされて嬉しいから。
「……今日は、いいかな?」
 亜樹が私の着ている服の裾をめくり少しだけ肌に触れた。
「うん、だけどね。聞いて欲しいの私のこと」
 もうきっと大丈夫。私は、拒んでいる理由を言わなきゃだ。前に、進みたいから……恥ずかしさもあったけど上の服を脱ぐ。脱げば私の傷痕が見えるわけで……
「千紘!?」
 急に脱ぎ出したから亜樹はとても焦って名前を呼んだけど、その言葉は無視して脱いだ。
「これが、ずっと拒んできた理由です……っ」
 私はまっすぐ彼を見るとそう告げた。