私は頷くとトイレの方面に走った。

 朝陽は私がこんな状況になっているなんて思っていないんだろうなぁ、と考えるけど途中から余裕がなくなってきて涙が溢れてくる。

 だんだん、息も荒くなってふらふらしながらもトイレまで辿り着けないまま、近くにあるベンチに腰を下ろせばだんだんと呼吸も整ってきて少し落ち着いてきてそろそろ行かなきゃと立ち上がると名前を呼ばれた。


「……っ、千紘!?」

「あっ、え……朝陽!? どうして……」


 私は朝陽に気づけばこちらに近づいてきて私をぎゅっと抱きしめた。