大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~

「は、流行りの探偵小説や……
 婦人向けの雑誌ですかね?」

「ほう、面白いか」

 面白いです、と言う咲子に、
「では、俺も読んでみようか」
と言うと、ちょっと嬉しそうだった。

 ちょうど食べ終わっていた咲子は立ち上がり、いそいそと本を持ってくる。

「どうぞ。
 『婦人画報』と『主婦之友』です」
と渡してくる。

 いや、そこは探偵小説では……っ!?
と思いながらも、

「ありがとう。
 読んでみよう……」
と行正はそれを受け取った。