「そうですか」

 特に出かける予定もなくても、咲子は機嫌がいい。

 二人で過ごす何気ない休日の朝。

 最近では、こんな瞬間が一番、おのれの幸せを噛み締められる。

 行正は、ここでのお試し婚、一日目のことを思い出していた。