なんだ、咲子。
 なにか言いたいことでもあるのか?

 欲しいものでもあるか?

 なんでも言え。
 お前の望みなら、なんでも叶えてやるぞ、と冷ややかな目のまま、見つめる行正に咲子は言った。

「行正さんは、今日はどうやって生きていくんですか?」

 沈黙した自分に咲子が訊き直してくれる。

「あ、すみません。
 行正さん、本日のご予定は?」

 まあ、意味としては間違ってないかな……と思いながら、
「いや、特に予定はないが」
と行正は言う。