いよいよ籍を入れることに決めてから数日後。 朝食の席で、行正は思っていた。 なんだかんだで俺は幸せ者だな。 こんな自分に合った、良い妻と巡り会えて。 しかも、どうやら、俺のことを好いてくれているらしいし。 ――咲子。 俺はお前と一生をともにしていくと誓うよ。 愛らしい妻を見ながら、行正が無表情なまま思っていたそのとき、その愛らしい妻が口を開き、呼びかけてきた。 「行正さん」