「今更、そんなに緊張してどうする」
と行正に言われたが、咲子は俯き、真っ赤になって手を振る。
「でもあのっ。
好きだとか言われたら、照れてしまってっ。
緊張のあまり、なにもできそうにありませんっ」
「――待て。
なにかするのは俺の方だ」
……そうでしたね、と思いながら、顔を上げて咲子は言う。
「私、もう人の心を読む力はいりません。
あなたのすべてを信じます」
そう見つめてみたが、行正は呆れたように言う。
「いや……、最初からないよな、それ」
「ですよね……」
と言った咲子に行正はちょっと笑ったあとで、口づけてきた。
また聞こえるはずのない行正の心の声が聞こえてくる。
と行正に言われたが、咲子は俯き、真っ赤になって手を振る。
「でもあのっ。
好きだとか言われたら、照れてしまってっ。
緊張のあまり、なにもできそうにありませんっ」
「――待て。
なにかするのは俺の方だ」
……そうでしたね、と思いながら、顔を上げて咲子は言う。
「私、もう人の心を読む力はいりません。
あなたのすべてを信じます」
そう見つめてみたが、行正は呆れたように言う。
「いや……、最初からないよな、それ」
「ですよね……」
と言った咲子に行正はちょっと笑ったあとで、口づけてきた。
また聞こえるはずのない行正の心の声が聞こえてくる。



