大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~

 家内安全、健康第一。

 行正さんとみんなと、ずっとこうして生きていけますように――。

 目を開け、行正と視線を合わせたとき、彼の心の声が流れ込んできた。

『お前が好きだ。
 大好きだ』

 ――え?

 行正は黙って自分を見つめている。

 こ、これも私の妄想なのでしょうかっ?

 いやいや、そんなおこがましいこと考えるとかっ。

 でも、行正さんがそんなこと思うわけないですもんねっ。

 咲子は、はは、と笑いながら、行正を見る。