「お母様は内心、これ、と心に決めている方を右手で持ち。
少し上にかかげて、長くご覧になります」
「じゃあ、それででしょうよ」
と言った美佳子は、
「自分でわかってるんじゃない。
心を読んでるんじゃなくて、母親の顔色を窺うのが上手いだけだって」
と言う。
……いや、その件に関してはそうなんですけどね。
でも、考えてみれば、他もそんなものなのかも、と咲子は思いはじめていた。
「あんたが意外に世渡り上手だったってだけよね。
でも、大事よ、そういうの」
自身の言動に幼い娘がビクビクして常に身構えていた、という事実に気づきながらも、あっけらかんと母は言う。
少し上にかかげて、長くご覧になります」
「じゃあ、それででしょうよ」
と言った美佳子は、
「自分でわかってるんじゃない。
心を読んでるんじゃなくて、母親の顔色を窺うのが上手いだけだって」
と言う。
……いや、その件に関してはそうなんですけどね。
でも、考えてみれば、他もそんなものなのかも、と咲子は思いはじめていた。
「あんたが意外に世渡り上手だったってだけよね。
でも、大事よ、そういうの」
自身の言動に幼い娘がビクビクして常に身構えていた、という事実に気づきながらも、あっけらかんと母は言う。



