大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~

 咲子も庭を見てみた。

 帰るのが早かったので、まだ明るいようだ。

 行正が、
「ちょっと散歩でもしてみるか」
と咲子を誘う。

「ええっ? ほんとですかっ?」

 いつも帰りがそんなに早い方ではないので。

 仕事のある日に、二人で散歩することなんて、滅多にない。

 なんか贅沢してる気持ちになるな~と思いながら、咲子は出かけようとして気がついた。

 玄関を出た行正の袖を後ろから強く引っ張る。

「だ、駄目ですっ」

 咲子の突然の奇行によろけながら、行正が振り返った。

「今、外に出たら、大変なことが起こりますっ」