大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~

 最新の電化製品やガス釜などがそろった台所だ。

 ハツなどは、
「私は薪で炊く方が好きです」
 などと言って、釜を使って煮炊きをしているようなのだが。

 今日習った料理のおさらいをユキ子たちとしていると、行正がやってきた。

 今日は早く帰れたようだ。

「ほう。
 夕食は、またお前の手料理か」

「ひ、一品ですが……」
と言いながら、咲子は怯えていた。

 行正さんは、どういう意味で言ってらっしゃるのでしょう?

『またお前の料理か。
 仮の夫とはいえ、夫だからな。

 仕方ない。
 我慢して食べるか』

 あるいは――。

『またお前の料理か。
 嬉しいぞ。

 俺は三国一の果報者だな』

 ないな……。

 果報者の方はないな。

 っていうか、この料理でそんなことを言ってもらえると期待する方がおこがましいか、
と咲子は、今、作ったハム エンド エッグスを見る。

 ……焼いただけだろ、というツッコミはご遠慮願いたい。