大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~




「ええーっ。
 三条家の行正様と結婚なさるのっ?」

 翌日女学校に行って、友人たちに見合いがどうだったか話していると、他の生徒たちも寄ってきた。

「あなたみたいなぼんやりした方が、三条家で務まるの?」

 などとズバリと言ってくる人もいたが。

「同じ公爵家でも、三条家は格が違いましてよ」

 そうなんですよね~。
 なんかもう、不安しかないんですけどね~。

「咲子サン、三条サンのおうちにお嫁に行かれるのですか?
 グレートですね~っ」

 金髪碧眼で麗しい顔をした英語教師、ルイスが割り込んできた。

 異国の人だし、行正さんと同じくらいの長身なのに。

 この先生の方が行正さんより怖くないな、と咲子は苦笑いする。