翌日。

夕方に玲音が来たけど、どういう訳か
中川という奴も一緒だった。

「悪い、どうしても
行くってきかなくて。」

「こんにちは。」

こんな時に限って
ノートを持って来ていない。

いや、リビングに
取りに行けばあるが、
足が竦んで動かない。

声が出ないことを
初めて恨んだ瞬間だった。

嫌だと言えない事が
こんなに辛いだなんて。