「忘れ物。」 ジェットコースターのスタッフさんが声をかける。小さな女の子は怖いのに強がる。ジェットコースターにもう2度と乗らないと決めたあの日のことだ。 「それ、大事だろ?いつもなくすから。」 「何で知ってるの……?」 「別に。素直になれない女の子が言ってた。」 夢の中でも昔から私は天然パーマなのだと気がつくのに。私は自分のことしか見てない。君をちゃんと見られたのはいつだろう。