ウェディングドレス、カラードレス、イブニングドレス、チャイナドレス、少し撮ったら着替えてまた写真撮影。着せ替え人形になった気分。でもーーー。

「イーヌオの綺麗な姿、たくさん見れて嬉しい」

隣でムーチェンがそう言ってくれるから、写真撮影をすることにしてよかったと思う。ムーチェンだってかっこいいもん。

「ムーチェンも素敵だよ。すごく」

そうあたしが言うと、ムーチェンはあたしの両頬を包む。そして、まだ撮影している最中なのにキスをしてきた。シャッター音が響き、あたしは慌ててムーチェンから距離を取る。

「い、いきなり何を……!」

「キスしたくなって」

ムーチェンはニコニコ笑っていて、カメラマンも「いい絵が撮れた」と満足そうにしている。あたしは顔の熱が引かなくて、俯いてしまった。



写真撮影から二週間後、ついに待ちに待った結婚式の日がやってきた。あたしはソワソワしながらリビングを行ったり来たりしている。

「イーヌオ、はしゃぎすぎよ」

「そうだぞ。怪我をしたらどうするんだ?」