「可愛い……」

私がガーターベルトを見つめていると、お母さんが「ちゃんとハンカチも持って来たからね」と微笑む。その言葉を聞いて、今日は私の結婚式なんだなと改めて思った。どんな顔をしてモーリスに会えばいいんだろう……。

「アメリー、入っても大丈夫かな?」

ドアがノックされ、モーリスの声が聞こえてくる。緊張しながらも「いいよ」と返すと、タキシードを着たモーリスが少し照れ臭そうに入ってくる。そして、ドレスを着た私を見て幸せそうな顔を見せてくれた。

「とても綺麗だよ。まるで、童話のお姫様みたいだ。こんなにも素敵な人が僕のお嫁さんになるだなんて、夢みたいに幸せだ」

モーリスが私のドレス姿を見るのは初めて。ドレスは式当日まで内緒にしようって二人で決めたから……。こんなにも褒めてもらえるなんて想像もしてなかったから、顔が一瞬にして赤くなる。

「もう、褒めすぎ!お姫様って言われるような歳じゃないのよ?……まあ、嬉しいけど。モーリスもかっこいいし」

「ありがとう、僕の奥さん」